熟年離婚を前提に別居している。配偶者控除は?


60歳になった夫のリタイヤ後に離婚することを考え、別居することにした夫婦がいるかもしれません。
熟年離婚です。。

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夫は、給料運搬人のような毎日を過ごしてきた、言うかもしれません。

子どものために我慢し続けてきたとも。

また、会社での悪評になるかもしれないし、出世のために我慢してきたかもしれません。


しかし、リタイアしたのだから、これらに縛られるような生活をしたくない。

後になって後悔しないように自由な生活を楽しみたい、と考える夫がいるかもしれません。

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妻は、夫のことを最初は優しかったのにこんな人だとは思わなかった。

私は、まるで家政婦のような毎日を過ごしてきた。

子どものために我慢し続けてきた。


しかし、もうこの夫に縛られた生活はしたくない。

後になって後悔しないように自由な生活を楽しみたい、と考える妻がいるかもしれません。

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それはともかくとして、今回のテーマは配偶者控除です。

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配偶者控除の制度改正については、数日前にこのブログに載せました。

「年末調整。配偶者控除、配偶者特別控除に大きな変化があるようだ!」 
https://teinen-5656.blogspot.com/2018/11/blog-post_4.html
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今回は、別居した場合について、夫の立場からみた関係で配偶者控除を見てみます。


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Q.夫婦が離婚前提で別居しても、妻を配偶者控除の対象とできるか?


妻が離婚前提で家を出てしまい、別居状態にある夫婦の夫は、その妻を控除対象配偶者としようとしました。

しかし、そのような状態であるため妻の所得金額が確認できません。

このような場合、配偶者控除の適用を受けることができるでしょうか?

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A.ご夫婦は、生計を一にしていると認められませんから、配偶者控除は受けられません。


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<控除対象配偶者となる人の範囲>

控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。

 (1)民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。

 (2)納税者と生計を一にしていること。

 (3)年間の合計所得金額が38万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

 (4)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

※なお、平成30年分以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。

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今回のご夫婦は、二つの点で該当していないようです。
(一つでも外れると該当なしです。)

「(2)納税者と生計を一にしていること」、「(3)年間の合計所得金額が38万円以下であること。」

理由1 妻の所得の確認ができないような状況では、「夫と生計を一にしている」と認められないでしょう。

理由2 妻の所得の確認ができないような状況では、「妻の年間の合計所得金額が38万円以下であること」とはいえません(不明ですから)。


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<生計を一にする>

扶養控除、配偶者控除などを検討するときに、いつも出てくる考え方に「生計を一にする」という言葉があります。

とても重要な考え方ですから、しっかり理解する必要があると思っています。

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「生計を一にする」とは、日常の生活の資を共にすることをいいます。

会社員、公務員などが勤務の都合により家族と別居している又は親族が修学、療養などのために別居している場合でも、

1・生活費、学資金又は療養費などを常に送金しているときや、

2・日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしているときは、

「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

<国税庁 所得税(確定申告書等作成コーナー)> 


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つまり、「生計を一にする」とは生計を共にしているという意味です。

日常生活に使うお金を同じにしていることです。

例えば、同じ財布や預金口座で生活しているというイメージです。

上の例では、納税者(夫)の所得をその家族(妻)の生計のために使っているという状態であるかどうか、、、です。

ですから、納税者とその家族(妻)がそれぞれ独立した生活を営んでいる場合は、生計を一にしているとは認められません。




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